───解放しろ、全てを。

自作防音室の壁とか厚さを考える

みなさんは、絶叫したことはありますか?

僕はよく絶叫してしまうので、その度に苦情が来るんじゃないかとヒヤヒヤしています。

 

これは外ですが、みなさんもたまに絶叫してしまいますよね。そんな時に、マンションやアパートだと苦情が来ることだってあると思います。

僕は去年の冬に引っ越しをしたのですが、以前の住居にて本意気の残酷な天使のテーゼを歌っていたところ、「いい加減にしろよ!!!」というお姉さんの怒鳴り声が聞こえてきたりもしました。おおこわ。(いやすまん)

多少の音は出してもいいように鉄筋コンクリートを選んだつもりでしたが、部屋の壁は(というか窓か?)想像以上に音が筒抜けだったんですね。それからは流石に思いっきり歌うことはやめ、「一緒にカラオケ行くのが初めての人と歌う時の感じ」程度に抑えていました。

しかしそれでは到底 ""健康で文化的な最低限度の生活""とは言えませんので、引っ越すに至ったんですね。

防音室でも自作したい!

マンションやアパートでも絶叫がしたい!と思った時に、どんなソリューションが考えられるでしょうか?

答えはひとつです。そう、防音室を作ることですね。

防音室を作る…?何言ってんだこいつ…。と思った方。

人が作ったものだけを享受し続ける人生はもう終わりにしましょう。無ければ作ればいいのです。

まあ防音室は普通に(?)YAMAHAとかで売ってますが、めちゃくちゃ高い。そらそうよ。防音室なんてニッチな世界なので高価にもなりますね。

例えばYAMAHAのセフィーネシリーズでは、0.8畳の一番安いモデルでも58万。イケハヤなら一年暮らせるレベルですね。

ヤマハ | 定型タイプの防音室

そして3.7畳なら150万です。グランドピアノを設置するならこのくらいは必要でしょうか。イケハヤなら一生遊んで暮らせるレベルですね。大金だ。

ということで、防音室は高価。とても一介のょぅι ゙ょの財布から出る金額ではありません。買ってみて使わなくなったらマジで泣く。しかし、高価なら作ればいいのです。

先人による自作防音室の壁の厚さはだいたい10cmまで

自作防音室は色んな人が作っていますが、壁の厚さはだいたい5〜10cmくらいです。

というか普通の賃貸では(1部屋6畳くらいの)それ以上厚くすると生活空間が独房になってしまいますね。

ということで、先人たちの自作防音室を参考に見てみましょう。

外壁(MDFボード)x 吸音

「SONARの使い方」の自作防音室

内部

自作防音室の作り方【簡単】 - SONARの使い方

ウレタンフォームを貼る前はかなり反響して、この部屋で録音なんてできるのか非常に心配だったのですが、ウレタンフォームを貼ったらきれいさっぱり消えました!ちなみに厚さは4cmです。

自作防音室完成!【後編】 | 防音室を自作する

合計:30,045円

吸音材となるウレタンの厚さが4cmで、MDFボードが1.5cmなので壁の厚さは5.5cm。

外壁を密度の高いMDFボードにすることで遮音性を高め、内側に吸音材としてウレタンを貼っています。"必要十分を満たした防音室"を作ろうと思ったら、このシンプルな構成でいいんじゃないかなあ。

ちなみに遮音の際に大事なのは重さです。材質がなんであれ、重さが同じであれば遮音性能は同じになるんですね。

この防音室の壁は1枚20キロのMDFボードですが、それが5枚使われているので壁だけで100キロになります。MDFボードは1枚2000円ちょっとと高コスパ。

防音室製作費用は全部で30000円です。その代わりノンフレームで、MDFボード同士を支えにして自立させています。安定感には欠けますが、まあ移動させたりしなければ安定感必要ないし、フレームを作る手間もないので作るのも楽ですね。

外壁(クローゼット) x 遮音 x 吸音

「SAKUMAG」の自作防音室

内部

自宅に防音室をできるだけ安くカンタンに自作してみよう【賃貸でもOK】 - SAKUMAG

閉め時67dB、開け時96dBの平均値から計算すると

96-67=29

なので、D-29の防音レベルとしました。

さくま氏の防音室は、クローゼットぶち抜き防音室。

防音室で部屋が狭くなる問題を解決した素晴らしいソリューションを導き出しています。僕もこれがしたかったのですが、棚が完全に固定されているタイプだったので諦めました。

クローゼットの壁部分は考えないものとして、壁の厚さは5cmほどと思われます。

ちなみにグラスウールとは、吸音材としてスタンダードな建材です。

外壁(ベニヤ)x 遮音 x 吸音 x 吸音

「こおろぎさんち」の自作防音室

内部

防音室を作りたい方のためにうちの防音室のスペックとか費用とか設計図とか道具とか色々書いてみます – こおろぎさんち

■外寸 幅101cm × 奥行き121cm × 高さ222cm(換気扇含まず)

■内寸 幅80cm × 奥行き100cm × 高さ197cm

■重量 約150kg

■遮音性能 D-35

■費用 材料費6万円

外寸 - 内寸が21cmなので、壁の厚さは10.5cmですね。たぶん。

これだけ壁の層が厚くても、材料費は6万円に収まるんですね。

また、吸音材の内側に「有孔板」を貼ってあるのは、低音を抑えるためです。

グラスウールなどの吸音材は中〜高音を抑えるのに効果的ですが、低音は割と通ってしまう(らしい)んですね。部屋の中で発生した音が有孔板に空いた穴に当たると、不思議な力で減衰していくんです。

この吸音メカニズムを""ヘルムホルツの共鳴箱""といいます。

園田の賃貸では防音に力を入れています。有孔ボードはなぜ吸音するか

壁の材料

防音室の壁の要は、吸音材と遮音材と言っていいでしょう。

吸音材

吸音材は上でも紹介しましたが、グラスウールが一般的です。

 

▲断熱材カッターも一緒に買っとこうな。

遮音シート

遮音シートはサンダムがめちゃくちゃ使われてますね。名前カッコイイからか?

その他の防音策

だんぼっちを強化改造

2万円で効果大! 改造だんぼっちや自作防音室に使える遮音シート・吸音材 - Re:I

ダンボールでできたの防音室の「だんぼっち」を強化した方もいます。

動画で解説してくれていますが、強化することで(内側に吸音材を貼ることで)だんぼっちの中の反響をかなり抑えています。

音声で聞くとやっぱ吸音材すごい。防音性能もむちゃくちゃ上がっています。

部屋の壁に防音処理

吸音材と遮音材を賃貸の壁に貼り付けて防音対策をする方法 - Debriefing [デブリーフィング]

部屋の壁に直接吸音材と遮音シートを貼り、防音空間にしている例もあります。

こちらの方法では「壁→吸音材→遮音シート」という形で外からの音を遮断するように施工していますが、順番を逆にすれば内側からの音を防音できますね。

絶叫を防ぐだけの防音効果は見込めませんが、「いちいち防音室に入るのがめんどくさい」みたいなズボラ層にとっては魅力的なアイデアだと思います。

僕の絶叫があと60デシベル低ければ、この方法を採用していたと思います。

おわり

防音室で一番大事なのは壁です。

自作防音室を設計する時は、部屋の大きさや用途によってまず壁の厚さを決めるところから始まりそうです。

おわり